Objectives of "Interfaith Pilgrimage for Peace and Life in 1995"
Vol. 1 平和と生命への諸宗教合同巡礼の目的について


目次

平和と生命へ諸宗教合同巡礼の目的について

平和と生命への諸宗教巡礼:メッセージ (その1)

日本山妙法寺 笹森行周上人

押田 成人さんのメッセージ

ポーラ・グリーンさんのメッセージ

スラク・シヴァラクサさんのメッセージ 

中山 弘正さんのメッセージ

折り紙集めています

CONVOCATION AT AUSCHWITZ

平和と生命への諸宗教合同巡礼のご案内



Objectives of "Interfaith Pilgrimage for Peace and Life"

平和と生命へ諸宗教合同巡礼の目的について


この度、第2次世界大戦終結50周年を迎えるにあたり、平和と生命への諸宗教合同巡礼」の提唱が、日本山妙法寺よりありました。この巡礼は、その名の如く宗教や考えかたを異にする人々による国際的な非暴力運動を目指し、巡礼の主旨に賛同される方はどなたでも参加ができます。

日本山妙法寺は、1991年より1992年にかけて「平和と生命への諸宗教合同巡礼/コロンブス、アメリカ大陸到達500周年」という巡礼を行い、パナマよりアメリカの首都ワシントンまで7,500kmを歩きました。それは、コロンブスがアメリカ大陸に到着してから500年にわたり、そして今日もなお続いている苛酷な抑圧と人権侵害に苦しみあえいでいる先住民を始めとした多くの人々の声に耳を傾け、その声に学び、その声を他の世界に伝えようと願って歩いたのでした。

また、1993年には内戦に苦しむスリランカからインドにかけて、同じく「平和と生命への諸宗教合同巡礼―スリランカ〜南インド」を行い、戦争終結、民族和解、宗教の相互理解を願ってヒンズー教、仏教、キリスト教のすべてに呼び掛けてその人々と共に歩きました。

今、第二次世界大戦終結50周年を迎えるにあたり、かつての戦場を、そして今なお戦火の絶えぬ地を、さらには今後に紛争などの問題が予想される地を、いくつかのコースに分かれて歩くことを発願し、その出発地をポーランドのアウシュビッツ、その終着地を日本の広島、長崎に致したいと思います(詳しくは巡礼コースをご参照下さい)。

戦争、経済搾取、環境破壊などますます混迷を深める今世紀末、歴史の教訓を生かし来たるべき21世紀に向かって希望の道を切り開くため、世界大戦の惨劇のあとを巡礼者としてたどりながら、まず自ら日本の犯した侵略戦争を反省し現在の問題としてとらえ直すことは、日本のみならず世界の人々の良心を目覚めさせる一助となるものと信じています。

さらには、この巡礼が平和のために働く様々な個人や組織の国際的な連帯と相互理解を築く上で役立つことになればこのうえなく幸甚に存じます。私たちは、この合同巡礼に関する様々な情報メッセージをお伝えし、巡礼の輪を一層ひろげるために、巡礼中にニュースレターを発行しました。ここに各国各地における報道集を添え、その総集編を作成しました。(この巡礼に対する皆様のお力添えへの深い感謝の気持ちを込めて。)皆様の平和へのご努力に謹んで感謝申し上げます。

巡礼の輪をひろげる会


平和と生命への諸宗教巡礼:メッセージ (その1)

日本山妙法寺 笹森行周上人

南無妙法蓮華経

終戦50周年をむかえ、今、私たちは、歴史の大いなる転換期に立たされている。

日本人の立場からまず先の侵略戦争を謙虚に反省し、二度と再びこの様な禍を繰り返さないと誓うと同時に、これまで戦争責任を蔑にし続けてきた日本国政府に第2次大戦の謝罪声明と不戦の誓いを広く日本国内外に宣告せしむることが、日本人として侵略戦争を行なったアジアの人々及び他の国々の人々との和解へ至る道になると考える。

歴史の事実より眼を逸すことなく、ここから導き出される教訓を後世へ伝えることが戦乱の時代、苦しみの海へ沈みし人々への冥福となり、彼らの尊き生を現代及び未来への新たなる価値観の中に蘇生させることへ繋がると考えたからだ。

「文明とは、電灯のつくことでもない、飛行機のあることでもない、原子爆弾を製造することでもない。
文明とは、人を殺さぬことであり、物を壊さぬことであり、戦争をしないことであり、相互に敬うことである。
日本山妙法寺、山主、藤井日達」

合掌

(日本山妙法寺笹森行周上人)


押田 成人さんのメッセージ

諸々の宗教伝承は、その地下流にさおさして、生きるべき、おいのちの伝承であって、そのお生命を生きることを助けるために、我々人間が定めた法や構造を尊びながらも、それを絶対化し、それに拘束されてはならない。それぞれがそのおいのちの伝承をいきるとき、互いに、その尊きすがたに合掌し、互いに、その行の道に学び合うべきである。

それが本来の姿である。互いに合掌し、学び合い、手を取り合って、彼岸の深みに船を漕ぐことが大切であり、そのように生きる時にのみ、この人類の危機の只中における、諸宗教伝承の存在理由を証し得るのである。

今回の、平和と声明の諸宗教巡礼は、正にこの証しの行に外ならない。すなわち人類の平和の原点を行することである。

また、このような深みへの行の中に於てはじめて、彼岸の知慧の光に浴し、その先に於て、諸存在、諸情況、諸事実を味わい、洞察し得るのである。

西欧科学は、いわゆる諸発見のうちに傲り深くなり、現代に於ては、すべての事を自分の手中に握り得ると錯覚するに至った。このような傲慢の中で自然から抽出したものは、すべて、生命を殺害して来た。化学肥料から人工放射能、遺伝工学、に至る迄、このような幻想的方向は、転換されねばならない。この幻想と同調した経済、政治、軍事体制も、内容ある権威によって、国際的に管制されねばならない。その為に、まことの人材の具体的つながりを現成しなければならない。

今回の巡礼の、もう一つの目的である。

(押田成人神父 信州高森草庵 司祭)


ポーラ・グリーンさんのメッセージ

アウシュビッツでの集会(1994年12月4〜8日)によせて 

「アウシュビッツは、広島と同じ、巡礼の地です。1941年から1945年までの間に、推計200万の人々がアウシュビッツで殺されました。その90%は、ほぼヨーロッパ全域にわたる国々からガス炉で死ぬために貨物列車に乗せられてきた、ユダヤ人たちでした。アウシュビッツと広島は、私たちの時代の、人間の限りない悪と破壊の力の象徴です。

 日本山妙法寺は、Interfaith Pilgrimage の開始場所としてアウシュビッツを、そして旅の終点に広島・長崎を選んで、炎が人間の生命を奪い、はかりしれない悲劇を生みだした、この二つの地を結びつけました。

強制収容所が解放され広島・長崎に原爆が投下されて第二次世界大戦が終わった50周年を記念して、私たちと共にアウシュビッツに集いませんか。ハヌカのろうそくに灯をともし、冷たく暗いその場所に光と暖かさを呼び入れることから、私たちの集いを始めようと思います。ハヌカは絶望から希望への転換を記念するユダヤ教の休日です。

様々な国籍と信仰を持った私たちは、共に、戦争の不道徳性と憎しみを悔い改め、自己再生の力を信じ、希望を持ち、私たち自身の内なる暴力と地球上のいっさいの暴力とを終わらせることを、私たちの魂のめざすところとしましょう。お祈り、音楽、演劇、夜通しの行、そして対話を通じて、私たちは延々と続くホロコーストと戦争の歴史に立ち向かい、あらゆる生命の神聖さを認め平和をつくりだす人間として未来を開こうと、固く決意しようではありませんか。」

(Dr. Paula Green. Director of Karuna Center)

連絡先:Dr. Paula Green, 49 Richardson Road, Leverett, MA 01054, U. S. A. phone/fax: +1-413-367-9520


スラク・シヴァラクサさんのメッセージ 

INEB、TICD、SPDIおよびKKF、そしてタイ人民の友(草の根民主主義と民衆参加のための、私たちの最も新しいNGO運動です)を代表し、今年の12月に始まる「The International Pilgrimage for Life and Peace」の成功に向けて、私の励ましと祈りをここにお送りします。 

宗教や国籍の違いを超えて、人々の間に平和と寛容、そして和解がもたらされますように、そしてこの行進がそれに寄与するものとなりますように、私は心から希望しています。この巡礼の旅によって、非暴力や生命の尊重という基本精神が、きっと多くの国に根づくことでしょう。

アウシュビッツに始まり、1995年8月15日に日本で終わる、という巡礼の道程はまことに適切なもので、虐殺や戦争犯罪がこれからは許されないのだということを、あらためて人々に思い起こさせるでしょう。どうか平和で、社会正義が貫かれ、環境バランスのとれた未来を迎えることができますように。 巡礼がタイに来られるとき、何か私どもでお力になれることがあれば、感覚を持つあらゆる生きものの平和と幸福のために、よろこんでご協力したいと思っています。

南無妙法蓮華経

( Dr. Sulak Siveraksa, Director of International Network of Engaged Buddhists, Thailand)


中山 弘正さんのメッセージ

私は敗戦の1945年に7才でした。戦争さえなければどんな社会でも良い、戦争だけはどうしてもいやだ、と思いながら育ちました。「社会主義」が戦争の無い世界への答えを与えてくれるのではないか、と青年の私には感じられました。しかし、それは「冷戦」という恐るべきジレンマに人類を追い込んでしまいました。

そして、実は、平和を熱望する私でしたのに、父親は職業軍人(海軍)だったのです。そこに私は自分の罪を見ました。罪の払う値(あたい)は死です。死から逃れるべく私はキリストのもとに来ました。「実に、キリストはわたしたちの平和であります。二つのものを一つにし、御自分の肉において敵意という隔ての壁を取り壊し、規則と戒律ずくめの律法を破棄されました。こうしてキリストは、双方を御自分において一人の新しい人に造り上げて平和を実現し、十字架を通して、両者を一つの体として神と和解させ、十字架によって敵意を滅ぼされました」(エフェンの信徒への手紙、2章、14ー16節)。

キリスト者にとっては、この方こそが平和そのものであり、人間的努力だけでは平和は来ないと思わざるを得ないのです。真の平和は十字架のみにある、それが私の確信となりました。しかし、そう確信するとき、私はその主キリストが「平和を実現する人々は、幸である」といわれたことを想い、平和を創ろうとする人々と手をつなぐのです。

(明治学院学院長)


折り紙集めています

今、世界のいろいろな所で戦争が続いていて、たくさんの人達が、苦しい生活をしています。そこで、みんなが平和にくらすことのできるようにお祈りしながら、世界各地を歩くことを計画している方々がいます。そして、立ち寄った国の人達と一緒に日本のおりがみをおって、交流を深めたいと考えています。

今年の12月8日に、ポーランドのアウシュビッツを出発して、日本の広島・長崎まで、9ヶ月もの長い道のりを歩きつずけるので、たくさんの折り紙が必要となります。あなたの家の包装紙がありましたら下記の大きさに切ってお送りいただきたいのです。(つかわなくなったおりがみでも結構です。)あなたの一枚一枚が、世界の人達・子供達の手に届き、平和を伝える大切な役目をしてくれることと思います。

・詳しいことをお知りになりたい方は御連絡下さい。

平和のおりがみを贈る会
井上祥子/TEL:0428−74−5706
井手萌子/TEL:03−3335−2094
江口/TEL:0429−73−9771

・送り先
早瀬 あかね: 〒357埼玉県飯能市上直竹上分448 TEL:0429−77−1890
矢 野 京 子: 〒177東京都練馬区上石神井4−20− 21−103TEL:03−3929−5464


CONVOCATION AT AUSCHWITZ

December 4-8, 1994 at Oswiencim, Poland

This Convocation, open to all interested persons, will take place in conjunction with, and help inaugurate, the Interfaith Pilgrimage for Peace and life 1995, a ten-month walk from Auschwitz to Hiroshima commemorating the fiftieth anniversary of the end of Would War II.

"The time has come for the true regeneration of humanity. In place of the war against the poor we must begin a world movement to renew the exhausted, deadened human spirit -that we learn anew to care for each other and this earth. Many hunger for this. Can we now fill this need?"

-Dr. George Wald

In an atmosphere of prayer for the victims of the incalculable criminality perpetrated at this former Concentration Camp, participants from around the globe are called upon also to enlarge the world's understanding of Holocaust as it extends to the far corners of this suffering earth today. We aspire to probe with renewed clarity the events of this world holocaust in order to create with new courage true ways for world peace-making.

This gathering is open to young and old, earnestly seeking a bridge of truth into the Millennium. It will take place simultaneously with a fast of deep reflection and renewal undertaken by the Buddhist monks and others who will participate in the Interfaith Pilgrimage for Peace and life 1995.

May the spirit, faith and commitment of this Convocation be carried by the Pilgrimage from Auschwitz to Hiroshima(12/10/94 to 8/6/95).

"As a scientist, I must ask; is the human race, is the planet, going to make it? I have hope...that this Convocation at Auschwitz and this Pilgrimage to Hiroshima (will aid) in the regeneration of humankind?"

-Dr. George Wald

Dr. George Wald, Professor Emeritus from Harvard University and Nobel Laureate in Biology, has spent his life committed to peace and human rights in the united States and around the world. He has served on the Bertrand Russell War Crimes Tribunal and numerous other national and international initiatives for peace and justice.


平和と生命への諸宗教合同巡礼のご案内


目的

1)全ての戦争犠牲者に対する慰霊。
2)日本の侵略戦争を深く反省懺悔し、日本政府に謝罪声明を出すことを要求する。
3)日本の憲法第9条の理念に基ずき、非軍事の文民組織による真の世界平和構築を目指す。
4)歴史に学び自らの戒めと浄化を通じた絶対非暴力の道を歩むことを誓う。

参加条件

1)毎朝合同礼拝の参加。
2)毎日平均30kmを歩く体力及び何事にもめげない精神力があること。(巡礼中一切の保証はありません)
3)巡礼中、酒と麻薬は厳禁。
4)旅費及び諸経費等は自己負担。


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